名古屋市美術館で開催されている、マリー.ローランサン展。先月伺いました。
淡くて柔らかいパステルカラーで描かれた絵画達が、世の曖昧さを肯定するかのように、柔らかな空気が空間を包んでいました。
ローランサンが、シャネルの絵を描いた事は現代にも語り継がれていますが、(冒頭の絵画)。
もう1つローランサンの息遣いが現代に蘇ったものがあり、それが色遣いなのだそうです。(ガイドで知りました。)シャネルのブランドを引き継いだカール.ラガーフェルドが、ローランサンの絵画の色遣いを参考にして、淡いピンクとグレーの、パステルな色遣いのスーツを発表したのだそうです。
同じ時代同じ年に生まれ、同じくパリを代表する女性二人の息遣いが、時代を越えて、現代でもふたたび交差した素敵なエピソードです。
『マリー.ローランサンは、今から100年前のパリ(1920年代)で活躍した画家。その頃同じくパリで活躍したデザイナー、ガブリエル.シャネル。共に同じ1883年生まれの女性が、大きな戦争を終えた後、街に華と活気をもたらしたことから、当時から時代を象徴する女性として、現代に至っても鮮やかに人々の胸に刻まれている。』
もうひとつ、印象に残ったガイドは、シャネルは、ローランサンに自分の絵を描いてもらいますが、ローランサンの描く女性の絵のタッチはやさしい感じのする描き方。シャネルは自分のイメージと違うと気に入らず絵を受け取ろうとしませんでしたが、一方マリーローランサンも、描き直す事はしませんでした。
受け取り手によって感じ方はさまざまだとは思いますが、どちらの思いも尊重したくなるような、とても美しいエピソードに感じられました。
ジャンヌ.・ランバン、シャネル、ポール.ポアレ、時代の変化とドレス達。
時代とともに移ろうものと、それぞれが大事に思うものや世の中との折り合い、強さと華やかさと曖昧さに美しさを感じたお時間でした。
『マリー.ローランサン展』 9月3日(日)まで名古屋市美術館にて開催中のようです。
名古屋市美術館のホームページ↓
名古屋市美術館 – 芸術と科学の杜・白川公園内 – Nagoya City Art Museum
図録も美しくて購入。最近お仕事用の作業机を、子供用に作られた遊び心のあるものに変えたので、そこでこちらのローランサンの図録を眺めると、また違った味わいも感じられます。
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