「ねえ、テンテンくん、ベイビーくん、
お庭にビングチェリーの実が沢山できたの、
それでね、チェリーミルフィーユで、
作りたいものがあるのだけど
少し大きいから運ぶ時に手伝ってくれたら
嬉しいなーと思って」
お友達のミンミンちゃんは言いました。
.
『「「いいよー!!」」』
二人は弾んだ声でお返事をしました。
.
『お兄ちゃん、チェリーミルフィーユだって!美味しいだろうね』
.
「「うん、きっと美味しいよー、楽しみだねー」」
.
『お兄ちゃん、覚えてる?
前に学校で、ミンミンちゃんとお兄ちゃんと僕で
夢のお話をしていた時に、ミンミンちゃんの夢は、
パティシエになって、
お菓子の公園のある町を作りたいって言っていた事』
.
「「覚えているよ。僕ね、素敵な夢だなあって思っていたよ」」
.
『お兄ちゃん、今日は何を作るんだろうね?
楽しみだね』
.
『ミンミンちゃん、
運ぶの以外にも僕たちにできることが
あったら言ってね』
テンテンくんは言いました。
.
.
.
「ありがとう!
…………..じゃあ、、、
ビングチェリーの種とヘタは
少し毒があるみたいだから、種を出すのも
一緒にお手伝いしてくれる?」
.
『「「はーい」」』
.
「あとでカスタードクリームも、まぜるのもはさむのもお願いしちゃうね」
.
『「「はーい」」』
.
「では、ミンミンはパイを焼いておきまーす」
.
テンテンとベイビーは、お菓子作りは初めてです。
種だしも、カスタードクリームを作るのも
楽しくて仕方がない様子です。
.
ミンミンがチェリーソースを作り、パイが焼きあがると
3人はカスタードクリームとチェリーをパイにはさみました。
.
『たのしいなあ』
テンテンは言いました。
「「たのしいね」」
ベイビーも言いました。
・
「ほんとう?ありがとう。二人がそんなふうに言ってくれると
ミンミンも嬉しい」
.
そして、ミンミンは、テンテン達が運んでくれた
パイで何やらおおきな箱のようなものを作り始めました。
.
.
.
『ミンミンちゃん、これは~もしかして…お家?』
ベイビーがミンミンにたずねました。
.
ミンミンは嬉しそうにうなずきました。
.
『「「お菓子のお家だ~」」』
.
どれぐらいの時間が経ったでしょうか。
三人は夢中になっていました。
.
空が少しずつ彩を変えていました。
.
.
.
いっせーのーでー
「『「「できた~~~」」』」
.
テンテンとベイビーは、お菓子のお家にはいりました。
.
そこへ、満面の笑みのミンミンがアイスティーと
ミルフィーユを持って、お菓子のお家に入ってきました。
.
そして三人がチェリーミルフィーユをほおばると、、、
顔を見合わせ
ほっぺに手をあてグリグリっとしました。
.
「『「「おいしーい」」』」
.
お菓子の公園のお話をしながら、
お菓子のお家で食べた
ミンミンと一緒に作ったチェリーミルフィーユ。
.
テンテンとベイビーは
この瞬間をハートの宝物箱にしっかりしまいました。
.
.
.
ミンミンのお菓子の公園には
あの日のあの瞬間
お菓子のお家の前で写した、
時と希望と喜びが
看板になって入口に大きく飾ってありました。
【初めの一歩の日。宝物】と
隅のほうに小さく書かれていました。
・
・
・
テンテンとベイビーのハートの宝物箱もにっこりひらき
ミルフィーユのように折り重なった彩の
空と太陽が宝箱を包みました。
.
公園の入り口には、
大きなビングチェリーの木が植えられていました。
.
- Happy christmas story~ 祝福の日々と聖なる夜②
- Happy christmas story~ 祝福の日々と聖なる夜①
- ありがとう
- わんちゃんねこちゃんへのありがとうの日
- ~おやすみなさいの唄~
コメントを残す